――『俺は人間が嫌いなんだ』
あの時の目。とても怖くて縛りつけるような目つきが、どうしても忘れられない。
「で?その霧島ってヤツはカラスで周りを監視して、こいつの家にまで来てなにが目的だ?」
聖が腕を組ながら言った。
「目的までは知らないけど、向こうも俺たちのことを探っているんじゃないかな。もしかしたら昨日だって本当は茉莉ちゃんの部屋に侵入してなにかをしたかったのかもしれないし」
「え……わ、私の部屋に?」
ベランダで群れて脅かすだけが目的じゃないとしたら、やっぱりあれは私の部屋に入るタイミングをうかがっていた可能性もある。
あの黒いカラスの大群が入ってきたことを想像しただけで泣きそうだ……。
というか、絶対に絶叫するだけじゃ済まなかったと思う。
「でも中には入れなかった。きっと普通のカラスじゃないし、窓を割ることも容易かったと思うけど、強い力に阻まれて出来なかったんだろうね」
「強い力ですか?」
もちろん私にはなんの力もないし、聖が駆け付けてくれるまでカラスたちはベランダにいた。
つまり聖が追い払ったわけでもないし、三兄弟が隣の家だからというのは関係なさそう。
強い力……強い力って……。
「あー!もしかして父さんの魔除けじゃない?」
晶くんが思い出したように声を張った。



