……よかった。バレなくて。せっかくお風呂に入ったのに、一気に汗をかいてしまった。
「俺は虫かよ」
カーテンに隠せなかった聖が不服そうに、ため息をついていた。
「いや、そういうわけじゃないんだけど、聖が私の部屋にいたらマズいでしょ?だから……」
「なんで?」
な、なんで……?
そんな返しをされると思ってなかったからこっちが逆になんで、だよ。
たしかに見られちゃいけないことはしてないし、むしろ聖は私のことを心配してくれただけだ。やましいことも、隠し事もなにひとつもない。でもさ……。
「まあ、ケガとかしてないなら別にいいけど」
なんだか今日の聖は優しすぎて怖いくらいだ。
一緒に帰ろうとか言うし、ベランダを飛び移ってきてくれるし、背中も擦ってくれた。
……ああ、本当にヤバいな。
どんどん気持ちが育っていく感覚がしてる。
「心配してくれてありがとう」
「ん」
聖は短い返事をしてまたベランダを乗り越えようとしている。
聖は足が長いから楽勝だけど、私だったらこの隙間に足をかける勇気はない……かも。
「あ、そうだ。お前、部屋の中だからって薄着すぎ」
「え……?」
「目のやり場に困る。あと今夜は肌寒いらしいからちゃんとした服を着て寝ろよ」
そう言って、聖は自分の部屋へと戻っていった。
改めて自分の服装を確認してみる。
「……っ」
お風呂上がりだったとはいえ、私はキャミソール一枚にショートパンツという格好だった。
……私のバカっ!恥ずかしすぎる……。



