はあ、明日も学校か……。

学校がイヤとかじゃなくてやっぱり霧島くんがイヤ。なにを考えてるか掴めないし、不気味すぎる。

なにより、あの奥深い黒目はカラスみたいだ。

もし聖たちのように霧島くんも特殊な血を持っているとしたら……?

だから三人の秘密を知っているとか?

……ちょっと、考えすぎかな。とにかくなんだか疲れちゃった。

ぼんやりとしていると、自然とまぶたが落ちてくる。ウトウトしかけていると、カタンッと窓の外から物音がした。

気のせいだと思っても、再びカタンと音が響く。

……なんだろう、風? 

閉じかけていたまぶたを開ける。


白いカーテンに手を伸ばして勢いよく開けると、ベランダに立っている誰かと目が合った。

いや、誰かというより黒い物体が浮いていて、それが不思議と顔のように見えている。


「……っ、きゃあああっ!」

私は叫び声をあげながら、あまりの怖さに腰を抜かしてしまった。