悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~

(あとは、お父様の頑張り次第よね)

 母だって、父のことを憎からず思っていたはずだ。
 いくら父が熱烈に望んだところで、母の気持ちが動かなければ結婚は成立しないはずだ。母の実家が、嫌がる母を無理やり父に嫁がせる理由はない。

(あとは、明日の朝、結果を確認すればいいわね)

 両親が、中でどんな話をしているのかには興味がない。あとは、明日の朝父を見送りに出た時に話をすることにしよう。
 

 翌朝、レオンティーナが見送りに出た時には、そこにいたのは父だけだった。母はまだ、朝の支度が終わっていないようだ。

「お父様!」

 父は、レオンティーナの姿を認めると、口元に緩やかな笑みを浮かべた。

(あら、まあ……)

 そんな笑みを浮かべた父を見て思う。宮中の女性達が放っておかなかったのも納得だ。
 母が、父に惹かれた理由はわからないが――レオンティーナの好みから言えば、少々気弱すぎる。

(でも、お父様に頑張ってもらう他ないんだから!)

 昨日、史上初の女帝を目指すと決めた。
 父とは、女性が学ぶべきことをすべて身につけたら、新しい家庭教師をつけてもらえると約束している。