悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~

 彼女の顔は真っ青で、レオンティーナの手を取った彼女の手は冷たい。
 けれど、レオンティーナも負けず真っ青になっていた。

(ヴィルヘルム様が刺客に……!)

 暗殺の危険は、父を通じてヴィルヘルムに伝えた。
 それを聞いたヴィルヘルムは、自身がレオンティーナのところまで話をしに来てくれた。
 十分注意すると言っていたのに――それでもだめだったというのだろうか。

「それで、ヴィルヘルム様は……」

 ルイーザに問いかける声が、力なくかすれていた。果たして、ルイーザの耳に届いているかどうか。

「……わからないの。お願い、レオンティーナ。一緒に来てちょうだい」

 レオンティーナを見るルイーザの目には、涙が浮かんでいる。
 レオンティーナはすぐにうなずいた。

「すぐに行きます。その前に、ルイーザ様は温かいお茶を。手が冷たくなっています――その、皇宮にうかがうには不適切な格好なので、急いで着替えてきます」

 今日は外に出る予定はなかったので、地味な茶色のドレスだ。
 書斎でほこりにまみれながら仕事をしていたので、このまま皇宮に向かうわけにもいかない。