悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~

 新しい備品の購入、新しく入る使用人の面接に、この屋敷で開かれる晩餐会や舞踏会の手配。最終的には母の確認を得るにしても、レオンティーナのやるべきことは多かった。
 それだけではない。皇帝からの命によりレオンティーナが管理を任されている養護施設も多いし、マレイモの研究についてもまだまだ途中だ。

(忙しくしていられるのはいいことよね)

 気を抜いたら、ヴィルヘルムのことばかり考えてしまいそうだから。

(……あんな風にキスするなんて)

 思い出すと、今でもじんわりと耳が熱くなる。
 指先で唇に触れてみると、あの時のキスの感覚がよみがえってくるようで、頬が熱くなってしまう。
 そんなレオンティーナの様子に、ソニアは気づいているようだった。

「――ヴィルヘルム殿下に、お会いにならなくていいんですか」
「馬鹿なことを言わないで。ヴィルヘルム様はお忙しいわよ」

 あの夜、たしかな言葉はなかったけれど、レオンティーナとの生涯を考えているのだろう。
 では、レオンティーナはそれに対する答えを持っているのだろうか。

(……私は、何もできていない)