悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~

 いや、邪魔をする人間だけではない。レオンティーナより美しい宝石を身に着けていたというだけで、ある貴族の令嬢を殺すよう命じたこともあった。

(前世の私は、なんて恐ろしい人間だったのかしら――)

 今となってみれば、しみじみとそう思う。だが、もし――今回も暗殺部隊が存在するのなら、皇妃はそれを動かすことができるはずだ。

(暗殺部隊のやり口は……夜中に密かに侵入する)

 そして、どうにか手段を講じて目標に毒物を摂取させるのだ。それにより、病死として処理される。
 でなければ、金銭を奪い、刺し殺して強盗の仕業に見せかけるという手もある。今回、三冊社がどんな手を使ってくるのかはわからない。
 皇妃の毒気にあてられたようになって、ふらふらと馬車のところまで戻ってきた。

「お嬢様、どうなさったのですか。顔色が悪いですよ」
「――ソニア。ううん、何でもない。早く家に帰りたい」

 ここは、魔窟だ。
 権力への欲望が、レオンティーナにも襲い掛かってくる。
 馬車に再び乗り込んだレオンティーナは、ぐったりと扉にもたれかかった。目の前にいるソニアが、冷たい水を差し出す。