(……前は、この人の愛を得たいと思っていたのよね)
両親に愛されないまま嫁いだ前世。せめて、夫の愛は得たいと思っていた。
けれど、アンドレアスはレオンティーナには見向きもしなかった。そんなことが思い出される。
「――昔、お前に縁談を拒まれたことがあったよな」
不意にアンドレアスがそんなことを言い出す。
正式な縁談の申し込みではなく、まだ、打診の段階であったはずだ。それを断ったところで、アンドレアスに不利になるとも思わなかった。
「なぜ、俺の申し込みを断った?」
「なぜ、と言われても」
当時、まだレオンティーナは八歳だった。あの時のことを聞かれても困る。
たしかにレオンティーナは前世の記憶があり、その分当時から同じ年ごろの子供と比べたらいくらか大人びていたかもしれなかった。
けれど、それとアンドレアスからの求婚を断ったというのは繋がるようで繋がらない。
「――当時は、結婚なんて遠い出来事だと思っていたのです。それに……皇妃様の皇子殿下に嫁ぐなど恐れ多くて」
もちろん、そんなこと当時から考えていたわけではない。
両親に愛されないまま嫁いだ前世。せめて、夫の愛は得たいと思っていた。
けれど、アンドレアスはレオンティーナには見向きもしなかった。そんなことが思い出される。
「――昔、お前に縁談を拒まれたことがあったよな」
不意にアンドレアスがそんなことを言い出す。
正式な縁談の申し込みではなく、まだ、打診の段階であったはずだ。それを断ったところで、アンドレアスに不利になるとも思わなかった。
「なぜ、俺の申し込みを断った?」
「なぜ、と言われても」
当時、まだレオンティーナは八歳だった。あの時のことを聞かれても困る。
たしかにレオンティーナは前世の記憶があり、その分当時から同じ年ごろの子供と比べたらいくらか大人びていたかもしれなかった。
けれど、それとアンドレアスからの求婚を断ったというのは繋がるようで繋がらない。
「――当時は、結婚なんて遠い出来事だと思っていたのです。それに……皇妃様の皇子殿下に嫁ぐなど恐れ多くて」
もちろん、そんなこと当時から考えていたわけではない。



