三歳になったハイラムは、日々すくすくと成長している。こんなにも弟が可愛いものだとは思っていなかった。
父からの手紙を受け取って二週間。レオンティーナは、母と弟と共にロアへと出発した。
◇ ◇ ◇
ロアに戻り、父との再会を終えた翌日。
レオンティーナが真っ先に足を運んだのは、皇宮にある図書館だった。
幼い頃、ここで何時間も過ごした。ヴィルヘルムと再会したのもここだった。
(……ここには、帝国全土の英知が集まっている)
皇宮図書館の利用許可は、今でも有効だ。
新興貴族の情報や、周囲の国の変化の中でレオンティーナが気づかなかった情報をここで集めるつもりだ。
「お嬢様、私はここでお待ちしていますね」
「いいえ、ソニア。あなたも好きな本を読んで待っていなさい――なんでもいいから」
ここに通っていた頃は侍女らしさが少し足りなかったソニアであるけれど、今はどこからどう見ても、良家に仕える侍女だ。
皇宮に入ってからすれ違う騎士団員が、ソニアにちらちらと目をやっているのにレオンティーナは気づいていた。
(きっと、ソニアに声をかけたいのでしょうね)
父からの手紙を受け取って二週間。レオンティーナは、母と弟と共にロアへと出発した。
◇ ◇ ◇
ロアに戻り、父との再会を終えた翌日。
レオンティーナが真っ先に足を運んだのは、皇宮にある図書館だった。
幼い頃、ここで何時間も過ごした。ヴィルヘルムと再会したのもここだった。
(……ここには、帝国全土の英知が集まっている)
皇宮図書館の利用許可は、今でも有効だ。
新興貴族の情報や、周囲の国の変化の中でレオンティーナが気づかなかった情報をここで集めるつもりだ。
「お嬢様、私はここでお待ちしていますね」
「いいえ、ソニア。あなたも好きな本を読んで待っていなさい――なんでもいいから」
ここに通っていた頃は侍女らしさが少し足りなかったソニアであるけれど、今はどこからどう見ても、良家に仕える侍女だ。
皇宮に入ってからすれ違う騎士団員が、ソニアにちらちらと目をやっているのにレオンティーナは気づいていた。
(きっと、ソニアに声をかけたいのでしょうね)



