「――っ!」


やっぱり、私の口からはさよならを告げなくてよかったと思った。


あんなにも哀しそうに、切なそうに笑ったさよならに、返事をしなくてよかった。


先輩に伝える必要のなくなったさよならが、心の底に沈んでいく感覚が。


――さよなら――


勇気のなかった日々に別れを告げて、駆け出した。


きっと、もう。私の花は、




Fin.