なるほど…
その苦情が全部担任に来たってわけか。
「そんなのカギかければいいだけの話じゃないですか?」
すっと無表情に戻った成宮が、めんどくさそうに発言する。
「それが…いくつか空き教室がある中で、そこのカギだけが何年か前に紛失したらしくて、かけられないんだ」
「だから、内側からなら手で簡単にかけられるけど、外側からは無理なんだ」
だったら…
「新たにカギを作れば…」
「特注だったらしくて、作るのに結構な額が必要らしい」
「…………」
「…………」
わたしも成宮も、考えていることはどうやら同じようだ。
ケチかっ!!
学校の費用でそれくらい、なんとかしてよ!



