「あれ、ゆずきちゃん、マスク?」
「大丈夫?風邪でも引いた?」
周りの反応が怖くて、おそるおそる教室に戻れば、クラスの色んな人に心配された。
そりゃあ、こんな暑い中マスクしてれば、嫌でも目立つか…
「う、うん……
ちょっと、風邪、引いちゃって」
「そっか。
お大事にね」
「うん……
ありがとう……」
クラスの子にお礼を言って、自分の席に座った。
いつもなら、授業と授業の間の休み時間も3人で、話してたっけ……
そんな少しの時間も楽しみで、早く授業が終わってほしいって思ってたくらいなのに。
でも今は、たったその10分の時間がとても長く感じられて。
周りが騒がしい分、この1人でいる時間が苦痛でしかない。
2人は……
そう思ってちらりと、はーちゃんの席の方に顔を向ければ、2人はいつも通り、楽しそうに話していた。
さっき、わたしに見せた顔が嘘のように、いつもの可愛い笑顔で笑ってる。
わたしがいなくても、楽しそうだな……
一瞬、そう思ったけれど、どこか、少し元気がないように見えて。
その笑顔を奪ってしまったのは、わたしのせいだ……
そう思ったら、胸の内がぎゅっと鷲掴みにされたように苦しくなって。
昔の、小学校の時の。
つらい記憶がよみがえってきて、また泣きそうになった。



