密室でふたり、イケナイコト。


そう言った途端、周りにいたスタッフさんや他の声優さんたちも、みんな黙って頷いていた。


「っ…わ、悪かったよ……」


「お、俺も悪かった……」


「い、いえ……」


まさか謝られると思わず、うろたえていると、ゆずきは俺の方にズンズンと向かってきて、ビシッと指さした。


「あなたもあなたですよ?ちゃんと実力で勝ち取ったんだから、何か言い返せばいいのに。それに、プロの自覚があるのなら、一人の声優として、本気でこの仕事と向き合った方がいいですよ」


“ 必死で頑張っている人の、本気でやっている人の邪魔ですよ ”


まさに心の内を読み取られたようで。

初対面でなんてことを言うんだと思った。


でも、言い返せない。


……その通り、だったから。


自覚が足りなかった。


何気なく、周りに流されるような形で始めたこの仕事だったけど、どこか楽しいと思う自分がいる。

自分の思うように演じることに、もっともっとと、貪欲になっていく自分がいるのは確かで。


そこからだった。

本気で、【声優】としての仕事に向き合おうと思ったのは。