密室でふたり、イケナイコト。


「オーディションで何人の人から選ばれて、主演が決まったと思ってるんですか?実力がない限り、そんな簡単なことじゃないと思いますし、ここに今、主演として立っているのが、何よりの証拠だと思いますけど?」

「そ、それは……」


「落ちたあなたたちが、それをとやかく言うなんて、おかしいんじゃないですか?」


本当に、驚いた。


初対面で、挨拶しか交わしたことしかなくて、俺と同い年で。


俺よりも芸歴は確実に上ではあるだろうけど、何年もこの仕事をしてきた先輩に言い返すなんて。


「声優さんと、スタッフさんと他にもたくさんの方とみんなで協力して、作品を作っていくんです。そんなくだらない理由で現場の空気を台無しにして、プロとしての自覚あるんですか?」