「スカウトで入ったって聞いたけど、声じゃなくて、どうせ顔で入ったんだろ?」
とか、
「こんなやつより、俺たちの方が断然経験踏んでいると思うけど」
とか、まあ……色々。
何がつらかったって、それを収録の休憩中に言われたことだな。
敢えて他の声優さんとか、スタッフさんがいる前で言うことで、俺に恥でもかかせようとしてたんだと思う。
そんな時。
ゆずきがその作品に出演することが決まって、初めて顔を合わせて一緒に収録した日。
その日も散々嫌味を言われて、スタジオの空気も良くなくて。
いい加減、俺も我慢の限界でいたら、ゆずきがそいつらに言ったんだ。
「だからさ、結局は顔がいいから、仕事もらって……」
「それは違うと思いますけど」
凛とした声で、はっきりと。
そいつらが、黙ってしまうくらいの、迫力で。



