【瑞稀side】
あれは、小学校6年の時。
同じクラスで仲良くなった春名の両親が、声優関係の仕事をしているという話を聞いたのは。
「君が、成宮瑞稀くん?
こんにちは~!!」
たまたま春名の家に遊びに行った俺は、その時初めて春名の両親に会った。
「こんにちは」
そう言った瞬間。
春名の母さんがキラキラとした目で俺を見ると、バタバタと走って、奥にいた春名の父さんを連れてきた。
「瑞稀くん、この台詞読んでみてくれる?」
2人から手渡されたものは、初めて持った台本。
だいぶ前のことだし、どんな内容だったかなんて、はっきり覚えていない。
「自分の思うように読んでみて」
そう言われて、読んでみると
「ねえ、瑞稀くん。
声優って、興味ない?」
春名の両親が目を輝かせて、俺を見ていた。
その時だった。
────俺が、【声優】という仕事に出会ったのは。



