密室でふたり、イケナイコト。


そう言い切ると、春名くんは成宮バリの大きなため息をつくと、教室のドアに足を向けた。


「ほんっと、ゆずきちゃんには敵わないね」

「えっ?」


そして、教室を出ていく瞬間。


「瑞稀に何かしたら、許さないんだからね!!!
それと、私の秘密誰かに話したら、今度こそ、本気で瑞稀のこと、奪いに行くから!!」


「えっ!!?」


「リア充なんて、滅んじゃえっ!!!!」


全力の笑顔で、でもどこか寂し気にそう言うと、春名くんは走って出て行ってしまった。


「………」


「………」


途端に、シーンとなる教室。

ちょっ、春名くん!!!


なんていう捨て台詞言っちゃってるの!!?


気まずいんだけど!!?

ど、どうしようと1人あわあわし始めると、



「何かするとしたら、俺が、なんだけどな……」


「えっ……?」



今、なんて……?


そっと静かにつぶやかれたその言葉を知りたくて成宮に近づけば、ふわっとシトラスの香りが鼻をくすぐって。


気づいたときには安心する、あたたかいぬくもりに包まれていた。