「周りの男子はみんな、私のことを女だとか、気持ち悪いだとか言って気味悪がった。誰一人として、男だって見てくれる人なんていなかった。けど、そんな時に……瑞稀に、出会った」
成宮、と?
「瑞稀は逆に女子の人気がすごすぎて、いつも嫌そうにしてた。同じクラスの嫌われ者と、人気者。話したことなんて1つもないし、関わることなんて1つもない。そう思ってた時に、たまたま宿泊学習で同じグループになって」
「いざ話しかけてみれば、女っぽかった私のことを普通に1人の男子として接してくれた。あの頃、瑞稀だけだったんだ。私の隣にいてくれてたのは……」
成宮は黙って聞いている。
春名くんは、いつもの…わたしに向けてくる威圧的なものは一切なくて、悲しげに目を伏せて、淡々と話している。
「それから本気で、瑞稀のことが好きになった」
えっ、それ本人の前で言っちゃうのっ!!?
驚いて目を丸くしていたわたしに気づいたかのように、春名くんは切なげに笑う。
「もう、とっくに振られてるし、瑞稀がわたしを男として、好きにならないことは分かってたし」
「だからせめて、瑞稀をどこぞの女に持っていかれたくなくて、女の恰好をして、周りの女子に牽制してたわけ。ちなみにこんな恰好し始めたのは、高校に入ってからだよ。瑞稀、めちゃめちゃ驚いてたよね」
そう言って、制服を元通りに着替えると、わたしの前に立った春名くん。



