それからやってきた空き教室。


ほんの数日来ないだけで、とても久しぶりに感じる……

なんてことを考えている余裕はもちろん、ない。


「あの、成……」


つないでいた手を離されたかと思えば、


「ここ、座れ」


近くにあった椅子に座るように促される。


そして、


「っ……」



わたしを逃がさないようにと、向かい合わせに座り、両足を成宮の足でガッチリ挟み込まれた。



ち、近いっ……


気持ちを自覚したせいで、今から何を言われるのかが怖いと思っていても、どうしても意識してしまうその距離。


射抜くようで、どこか熱を秘めたような視線。


ドクドクと脈が速い………。


耐え切れなくて俯けば、すっと顎を持ち上げられた。



「逃がさねぇから」


「っ……」



耳元で囁かれた声に、身体がぶるりと震える。


耳が、熱い……


まるで、今にも食べられそうな小動物のような気分。