ずっと思っていたことを1つ口にしただけで、黒くて嫌な気持ちがどんどん溢れてくる。

雨の音なんか、全然気にならなかった。


「な、成宮が春名ちゃんと…楽しそうに話してるのを見るのがつらいっ……。
春名ちゃんと成宮の距離が近いだけで、彼女はわたしなのにって思うの……」


「……隣にいるのはわたしなのにって」


なに言ってるんだろ、わたし……


いくら成宮が何を言っても嫌いになることはないって言ったって、

こんなわがままで自分勝手なこと、困らせるだけだって分かってるのに。



けど、止まらなかった。


成宮の、わたしへのまっすぐな気持ちを聞いていたら、色んな気持ちがグチャグチャに合わさって。


自分でも驚くくらい、我慢してたんだって気づいて。

天気のことなんか忘れるくらい、成宮のことしか見えてなかった。