優しいその声と、隣に腰かける音にふっと顔を上げれば、その目はまっすぐわたしを見ていて。

「お前はさ、もっとわがまま言っていいんだよ」

「わ、がまま……?」

急になんの話……?

目をパチパチさせて頭の上に?マークを浮かべると、苦笑いされた。


「前に特訓したとき、俺が甘やかすっていうのやっただろ?」

「うん……」

そういや、そんなこともやったっけ?

なんで急に?とは確かに思ってたけど……

「あれはさ、もっと俺に頼って欲しかったからなんだよ」

「頼って、欲しかった……?」

「そ。腐った女子たちにあんなことされて絶対に痛かったり、嫌だったはずなのに何を聞いても大丈夫だって言ってたし、俺のことも責めたりしなかっただろ?」

「あ、あれはっ……!!」

「うん、分かってる。
俺のことを思って言ってくれたんだろうなってことは。けど……さ、」

「うん……」

「そういうお前の優しいところ好きだけど、もっと俺になんでも言って欲しい」

「っ!!」

「さっきの春名のことも、平気なフリしてたし」


やっぱり、バレてたか……