「あ、な、なにっ？」


「さっき電車でさ…なんで断らなかったの？」


その質問に、心臓がドクっと跳ね上がった。


「は、春名ちゃんのこと……？」


「ああ」

「人が多かったのは事実だし、仕方ないかなって……」


さすがに睨まれたからとは言えない……



あの後、最寄に着くまでの間、春名ちゃんはずっと成宮に話しかけてて。


時々勝ち誇ったような目で見てくるのが正直、つらかった。


彼女はわたしなのにって、胸の奥をぎゅっと掴まれたようで。



「仕方なくないだろ」

「えっ……」


「……お前は、俺の彼女なんだから」