「なっ…!
なに言ってんのっ……!?」
「相変わらず、可愛い反応してくれるよな」
ふっと意地悪に笑った顔はとても楽しそうで。
また、胸がドキッとしてしまった。
「ふんっ!!」
成宮の手が髪から離れたのをいいことに、顔を横に背けた。
なんてこと言ってんの、成宮……
てっきりからかわれて終わりだと思ってたら、まさかの反応なんだもん。
身体は雨で冷えて冷たいはずなのに、顔が熱い。
「このタオル、成宮のにおいがする」
話を逸らしたくて、思ったことを言っただけだったのに、
「それ、マジで言ってんの?」
「え……、う、うん?」
「ほんと無自覚。なにこの可愛い生き物」
「はいっ……!!?」
バッと成宮の方を向けば、顔を片手で覆っていた。



