「………」
「………」
駅を出て、お互い無言で歩く帰り道。
手は、離れ離れ。
つないで帰ったこの間のことが、なんだか遠い昔のようで。
離れた手に、成宮との距離を感じてさびしいと思う自分がいた。
わたし、こんなに後ろ向きに考える性格だっけ……?
ちょっと落ち込むことがあっても気にしなかったり、別になんともないって感じで次の日になったら忘れているような楽観的で、
前だったら恥ずかしくて、手をつなぐなんて死んでも嫌だったくらいなのに。
……こんな風に、思うようになるなんて。
何も言わないけど、なんてことないように、車道側を歩いてくれてるところとか、身長が低めのわたしに歩幅を合わせてくれるところとか。
めんどくさい気質の成宮の、そうやって優しい一面を見るたびに胸の奥がぎゅっとなって。
苦しかったり、嬉しかったり。
成宮のことしか考えられなくなったり。
成宮の言動に対して一喜一憂してる気がする。
全然、わたしらしくない……



