密室でふたり、イケナイコト。




「えっ、瑞稀降りちゃうの!?」


「ゆずきのこと、送ってくから」


「えーー……」


「じゃあな」


不満そうな春名ちゃんを残し、電車を降りたわたしたち。


「マジで雨降りそうだし、急ぐぞ」


「うん……」


さっきのことに関して何も言わない成宮。


怒ってる、よね……


嫌がるわたしを思って断ってくれようとしたのに。


もやもやするし、こんな風になりたかったわけじゃないのに、全てが空回り。



ほんと、自分がいやになる。


また、胸の奥が苦しい。


先にホームへと歩き出した成宮の後を追うように追いかけたけれど、


「雨、降ってきそう……」


空は今すぐにでも降りそうで、まるでわたしの心の中みたいだった。