「しー……、いいから今は大人しくしとけって」


ギュッと抱き寄せられてしまい、わたしもコクンと頷くしかできなくて。


「ゆずきが素直だなんて、明日雪でも降るんじゃねーの?」


「なっ……!
ば、バカなこと言わないでっ……!」


「はいはい。
けど、そんなところも可愛いけどな」


小声で囁かれて、また固まってしまったわたしにクスッと笑うと、そのまま教卓の下に隠れる。


人が入れるほどのスペースはあるけれど、

これはこれで近いっ……!!


シトラスの香りが鼻をくすぐって、元に戻ったはずの頭がまた、クラクラしそう。


どうしていつも、こんなにいい香りなんかさせてるの…っ


女子力高すぎでしょっ……!


心臓がバクバク音を立ててるけれど、力が入らないから、黙ってることしかできない。



「お!誰もいないみたいだし、ここ良くね?」



そんな話し声が聞こえた後。



──────ガチャガチャガチャッ!!



き、来たっ……!!