「ったく、教室うるさすぎじゃね?」


「それな。
全然勉強進まねーわ」


「ここ西棟だし、空き教室とかどうよ?」


そんな、男子2人の会話が近くで聞こえる。


会話を聞く限り、空き教室で勉強をするみたいだ。

や、ヤバいっ……

鍵がかかってるとはいえ、中を覗きこまれた
ら終わりだっ……


滅多に人が来ないのに、どうしてこういう時に限って人が来るのっ!?



「ひ、人がっ……」


急いでガバッと起き上がり、立ち上がろうとしたけれど、


あれ……?

腰が抜けて、力が入らない。


どうしよう……っ


そう思っていると


「えっ!!?」


膝裏に手を差し込まれて、いとも簡単にふわっと抱き上げられた。


「な、なり、みやっ……!?」


こ、これってお姫様だっこじゃ……!!