「あ、お茶忘れた」


―――昼休み。


りみっちと、はーちゃんと教室で机を囲んでお弁当を食べていたわたし。

食べ終わってカバンを見ると、いつも持って来ているお気に入りのタンブラーがない。



うそ……?

嘘でしょ……?


誰か嘘だと言って!!



わたしにとってお茶を忘れたことは全然問題じゃない。


けど、けどね!?



「日向くんが……っ!」



ガクッと膝から崩れ落ちる。



アニメイトで買ったタンブラーはアイドル育成ゲームでわたしの推しである、日向くんが描かれた限定もの。


キラキラと歌う姿が最高すぎて、いつも忘れないように持ってきてたのに!!


「はぁぁぁ………
わたしの日向くんがっ……」



あの姿を見ないと、午後からの授業頑張れない……

わたしにとっては日向くんを拝めないことが死活問題なのだ。



あ、そっか……


日向くんのことを忘れるくらい、春名ちゃんのことばかり考えてるのかな。