「てか、くっつくなよ……
暑苦しい」

「ええー?
いいじゃん、別に」

なに、あれ……

春名ちゃん、腕絡めちゃって。

成宮の方も嫌そうにしている割には、無理に引き剥がそうとはしない。

ちょっと不機嫌そうな顔してるけど、全然嫌がってないし、むしろ受け入れてる感じ……?

―――チクッ


また、だ……

胸の奥が痛い……

ふたりの姿を見る度に、こうやってぎゅっと胸が苦しくなる。


……正直、自分だけだと思ってた。

わたしだけが成宮と普通に話せて、自然に笑う姿を見ることができて、ゆずきって、下の名前を呼んでもらえて。

けどそれは、わたしだけに限ったことじゃなかった。

他の女の子にも……

春名ちゃんにも言えたことだった。