「元々、彼女にだけ見せる甘い顔ってのがシチュエーションだし、今日はそれに乗っかってみようと思って」

「な、なるほど……」


この間は唐突に始まっちゃったし、甘い顔っていうよりかは……


「ゆずきが可愛くて、ついついいじめたくなっちゃってさ。ごめんな?」


とても悪いとは思ってなさそうに。


「しょ、小学生じゃあるまいし!!」



絡まる視線が恥ずかしくて、意地を張った答え方をしてしまう。

す、好きな子をいじめるなんて、今どきの男子小学生か!!


いや、男子中学生?


そう思ってたら、

頬にあった手が離れて、サイドに1つ結びにした長い髪をするっと掬われる。