「なり、みや……」
まさか、来てくれるなんて……
走ってきたのか、少し息が切れているみたい。
身震いするくらいの鋭い視線で相沢さんたちを見下ろす。
「み、瑞稀くん!?
な、なんで!?」
「どうして成宮くんがっ……!?」
「…………」
その質問には一切答えることなく、成宮はこちらに向かってきて、
「遅くなって悪い」
狼狽える女子たちの間をすり抜けて、横からぎゅっと肩を抱かれた。
「ちょ、ちょっと待って……!!」
そのまま校舎の方へ歩いていこうとすると、目の前に相沢さんが立ち塞がった。
「な、なんで片瀬さんなんかと、付き合ってるの!?あたしの方が可愛いし、瑞稀くんと釣り合うのに!!」
そして、キッ!!っとわたしを睨む。



