「な、なに……」 「それ、ちょーだい?」 その手はわたしの口にささった、食べかけのポッキーを指している。 なに急に? 「欲しいなら、新しいのあげ……」 ─────ポキッ 「ん!?」 目の前には成宮の整った顔と、 唇ギリギリで折れたポッキー。 今、何が起きた……? 「あっま」 顔を歪めたのは一瞬で、すぐにニヤリと笑うと 「な、ななな、なにして……」 「ごちそーさま」 わざとらしくペロッと唇を舐めた。