「さっきから、いい加減にしてくれない?」 普段の声より何倍も低いその声に、教室がシーンと静まり返る。 めちゃめちゃ怒ってる… イヤホンを外して、相沢さんをギロっと睨む。 「俺あんたのこと知らないし、勝手に名前呼ばないでもらえる?」 「ご、ごめんなさい…」 「それと…… 俺彼女いるからそういうの、マジで無理」 「えっ……」 「ええええぇぇぇー!!!!」 「嘘でしょ!?」 「キャーーーー!!!」 静かだった教室が途端に騒がしくなる。