元旦、松濤の実家に 御挨拶に行く。
 

「あら、よく焼けて。麻有ちゃん、若くなったわ。高校生みたい。」


玄関先で 新年の挨拶の後 お母様が言う。
 

「言い過ぎ、言い過ぎ。」と智くんは笑う。
 
「本当よ。智之も大学生に見えるから。安心して。」

お母様もつられて笑う。
 


「何だか、楽しそうだね。」

リビングに居たお父様が 私達を迎えて言う。


私達が お父様に御挨拶をしていると
 

「二人が日焼けして すごく若返ったって言ったのよ。」


お茶の用意をしていたお母様が言ってくれる。
 


「お母様に 高校生みたいって 褒めていただきました。」

私が笑いながら言うと
 

「今時の高校生は ませているからね。」

お父様も楽しそうに笑う。
 


「お父様に頂いたお小遣いで このバッグ買いました。ありがとうございます。」

私は バッグを掲げて見せる。
 

「あら、素敵じゃない。」

お母様は言い、お父様は満足気に頷いてくれた。