夕食までには 時間があるので
私達は 横浜をブラブラする。
元町、中華街、赤レンガ倉庫。
クリスマスの山下公園は、恋人達がいっぱいで。
抱き合う恋人達に刺激されて、私達も海を見ながら キスをしてしまう。
「こんな所で。俺、どうしたんだろう。」
恥ずかしそうに笑う智くんに
「私も。でも、今すごくキスしたかった。」
と素直に言ってしまう。
日が沈んで イルミネーションが輝き始める頃、私達はレストランに入る。
コートを脱いで、白い服になった私を やっぱり智くんは 愛おし気に見つめる。
「あの日、ここで智くんが 告白してくれなかったら 今の二人はいなかったね。」
「麻有ちゃんが、俺の気持ちに 応えてくれたからね。」
私達の心は、温かいもので満ちてくる。
「不思議だね。あの日 智くんが会社に来なかったらって考えると 怖くなるの。」
「あそこで、麻有ちゃんに会えなかったら どうなっていたかな。」