翌日、私達は軽井沢に向かう。
私達とお父様達は 別々の車で。
お母様は、ホテルのレストランを 個室で予約してあった。
私達は、予定の11時半より少し早めに着いた。
ロビーに行くと、私の家族が 緊張した面持ちで座っていた。
「麻有ちゃん、この洋服 変じゃない?」
母は、上品なスーツを着ていた。
「素敵よ。美奈ちゃんが選んだの?」
妹もおしとやかなワンピース姿で。
「そう。いいでしょう。パパに買ってもらったの。」
と自分の洋服も指す。
「美奈ちゃんもお嬢様っぽく見えるよ。」
私は 笑いながら言う。
「ウチの両親も もうすぐ来ますので。先に行きましょう。」
と智くんに促されて、私達は個室に入った。
「何か、緊張しちゃうわ。」
と落ち着かない母に
「大丈夫よ。とっても優しいご両親だからね。」
「お母様には、昔 何度かお会いしているからね。でも、お父様に会うのは 初めてだよね。」
と父が言う。
「普通の父親ですよ。オヤジギャグの好きな。」
智くんは、笑顔で言った。