イケナイ王子様

もし言ったら、藤堂さんはきっとこう言うだろう。


『我妻グループの御曹司全員と、一緒に住んでる?


じゃあ、お見合いをする必要はないじゃないですか。


その御曹司たちの中から、婚約者を選べばいいだけの話ですよね?』


お見合いをする必要はない。


たしかにそうだけど、せっかく、お見合いという、異性とのコミュニケーション力を高めるためにセッティングしたイベントをつぶしたら、叔母さんに申しわけない。


叔母さんは、私に彼氏ができたということを知っている。


でも、その彼氏が誰なのかを、私は伝えなかった。


というよりも、言えなかった。


彼氏にバレそうになったら、助け船を出すと言ってくれたから。


叔母さんが味方になってくれるという安心感で、自分の彼氏が誰かを伝えられなかった。