イケナイ王子様

ゴクッ。


な、なぜか緊張してきた……。


べつに、今から我妻兄弟の父親が来るわけじゃないのに。


片手を胸に当て、バクバク音を立てる心臓を必死におさえる。


と、突然、翔さんが私をチラッと見た。


切れ長の大きな目と視線が合い、さらにドキッとする。


な、なに?


いきなり私のほう見るなんて……。


「でも兄貴、家には今、俺と愛海がいるぞ?


親父、俺たちの家に、愛海がいること、知らないんだろ?」


あぁ、そ、そういうことか……。