「……っ」


ギリッと奥歯を噛みしめる洋季さん。


彼は、なにか言いたそうな顔をしたあと、警察の人に外へと連れだされた。


洋季さんがいなくなったことで、私はようやく解放された。


「……ありがとうございます、翔さん。


私を助けてくれて……」


目を細めて微笑むと、頭をポンポンされた。


「当たり前じゃん。


あんたは俺の彼女だし、あんたを危険なやつから守るのは、俺の役目だからな」


翔さん……。


いつもは意地悪なくせに、こうやって私に優しくしてくるから、憎めないんだよ。