「な……っ、なんでお前が……!」


私を押し倒した洋季さんが、目を見開く。


この家の地下に、誰かが来るとは思わなかったのだろう。


「どうしてここだとわかったんだ……」


驚く洋季さんに対し、ドアを開けてやってきた翔さんが、洋季さんを睨みながら、冷静に言葉を返した。


「……てめぇが俺に電話をかけてくる前に、紀野が家に来たんだよ。


愛海がさらわれたとこを見て、さらったやつに、すねを蹴られたんだって。


そのあとに来た弓屋って女が、愛海が危険な目に遭ってるかもしれないって言いにきたんだ」