「やれやれ、まいったなぁ……」


洋季さんがため息をつき、スマホをしまう。


いっぽうの私は、そんな洋季さんを、薄目で傍観することしかできない。


誰かに口をふさがれて、意識を失ったあと、私はいつの間にか、ここに連れてこられた。


今住んでる家と同じくらいの家にある、地下の独房で。


なんでここに連れてこられたのかなんて、わかるわけがない。


だから、目覚めたあとに現れた洋季さんに、すぐ尋ねた。


なんで私を、ここに連れてきたのか、と。