イケナイ王子様

胸ぐらを掴まれた紀野は、一瞬驚きの表情を浮かべたが、すぐに首を横に振る。


「違います!


本当にさらわれたんです!」


「じゃあ、愛海がさらわれた証拠を見せろ」


これなら、さすがの紀野も謝るだろう。


と思ったが、紀野は、慌てて服のポケットからなにかを取りだした。


それを、俺に見せる。


「こ、これ……愛海ちゃんの髪飾り。愛海ちゃんがさらわれたときに落ちたんだ」


はぁ?髪飾り?


「……なんでお前が、愛海の髪飾りを持ってんだよ」