イケナイ王子様

「……なんの用?」


そして、声も自然と低くなる。


まだこいつに、敵意識があるからだろう。


「我妻さんは知ってるかどうかわかんないですけど……」


「…………」


「愛海ちゃんが、何者かにさらわれた」


「はぁっ⁉︎」


愛海がさらわれた⁉︎


紀野の言葉に驚くが、すぐ冷静になる。


いや、あいつがさらわれたなんて嘘だ。


そんなの、こいつがついた嘘に決まってる。


そう思い、紀野の胸ぐらを強く掴む。


「……嘘つくんじゃねぇよ」