そっとドアを開ける。


しかし、俺を出迎えたのは、愛海ではなく、ガラーンとした雰囲気と、暗い部屋。


電気は消えており、愛海がいる様子はない。


俺の予想どおり、愛海は俺に内緒で、どこかに行ったようだ。


「どっかに行くなら、連絡くらいすればいいのにな……」


頭をかきながら、ボソッとつぶやく。


自分の彼女が自分に隠れて、なにかコソコソやっている姿を想像すると、モヤモヤする。


隠さないでほしい。


コソコソしないでほしい。