イケナイ王子様

「え、えっと……」


一緒にいたい、と言われると『今、掃除をしてるので、私にかまいたいなら、あとにしてください』と言えなくなる。


言葉で翔さんを突き放して、傷つけたら、罪悪感が残るから。


と、そのとき。


なにを思ったのか、翔さんがニヤッと不敵な笑みを浮かべた。


「なに?


もしかして、俺の言葉にドキドキしちゃった?」


えっ!


ドキドキしてること、見破られた……。


無意識に顔が熱くなる。


「な、なってません‼︎」


あぁ、素直じゃないな、私。


本当は、翔さんの言動にドキドキしてたのに。


「顔赤くなってるじゃん。


それでも、俺の言葉にドキドキしてないって言えんの?」


「う……っ」


翔さんは、私の顔色の変化に気づいてた。