イケナイ王子様

「泣きたいなら泣けよ。


泣くのを我慢すんの、よくねぇだろ」


ぶっきらぼうな口調とは裏腹に、優しい声。


……ズルい。


ズルいよ、翔さん。


普段、意地悪なくせに、私が弱ってるときに限って、優しくしてくれるなんて。


そんなんだから、憎めないんだよ。


「ふ……っ、う……っ」


「よしよし、つらかったな。


これからは、俺が愛海の悲しみを優しく包み込んでやる」


ポンポン、と背中を優しくさすられる。


その優しさに包まれ、私は、嗚咽混じりに号泣した。