イケナイ王子様

こちらを見つめている翔さんの目から、目が離せなくなる。


背中を流れる汗も止まらない。


翔さんの顔がだんだん近づいていき、お互いの額がくっつくほどの距離まで縮まった。


心臓が、ドクンドクンと大きな音を出す。


翔さんとキスをするのが嫌なわけではない。


ただ、翔さんにドキドキして、どうやってキスから逃げればいいのかわからないだけ。


あぁ、このままじゃキスされる……。


心の中で、あきらめの言葉を吐きだしたそのとき。


ピーンポーン。


玄関のほうから、インターホンが鳴る音がした。


とっさに翔さんから体を離し、慌てて背を向けた。


「だ、誰か来たみたいですね。


私が応対します。


翔さんは洗濯ものを干しててください」