私の肩を掴む力が強くなっても、ちっとも痛みはやってこない。


きーちゃんの手の力より、私を大切に思う気持ちが強かったから。


「……お姉ちゃん。


どれだけ愛海を傷つけても、翔様は振り向いてくれない。


むしろ、お姉ちゃんから離れてくよ。


これ以上、愛海を傷つけたら、翔様だって傷つくと思う。


お姉ちゃんは、好きな人の傷つくところを見たくないんでしょ?


だったら、お願い。


もう……誰も傷つけないで。


愛海を傷つけるようなまねは、二度としないで」


「……っ」


私からもお願い。


ミドリさん……これ以上、誰かを傷つけるのはもうやめて。


私自身をかばうためじゃない。