イケナイ王子様

「だ、だったら、なんでその子と翔くんを両想いにさせたのよ!」


「両想いにさせたんじゃないよ。


私が愛海の話を聞く前から、愛海と翔様は両想いだったの。


だから、私が邪魔する余地なんてないと思ったの」


焦るミドリさんとは対照的に、冷静な口調で言葉を返すきーちゃん。


「それに、好きだった翔様が悲しむところは見たくなかったし。


愛海を傷つけて、翔様を奪おうと思う考えはなかった。


いや、持てなかった。


中学時代からの友達である愛海が傷つくところ、見たくなかったから」


きーちゃん……。


やっぱり、きーちゃんが私の友達で、本当によかった。


そう思ったと同時に、涙がこぼれた。