イケナイ王子様

だ、誰か助けて……!


ぎゅっと目をつぶったそのとき。


近くから、私とミドリさんのものとは違う、別の靴音が聞こえた。


もしかして、誰か来た……?


「あれ、愛海じゃん。


こんなとこでなにしてんの?」


はっ。


こ、この声は……。


閉じてた目を開け、声のしたほうに視線を向ける。


「きーちゃん!」


視界に現れたのは、私服姿のきーちゃんだった。


な、なんできーちゃんがここに……。


「き、きーちゃんこそ、なにを……」


「私?


私は、ひとりでカフェに行ってたの。


E中学の近くのカフェね。


カフェでコーヒー飲んでたら、路地裏のほうが騒がしいから、なにかと思って、様子を見にきたんだ」